入れるところまでやって、入らなかったらこの沸いた頭も現に醒めると思ったのだが、
なぜか入ってしまった。
窮屈だが、それでいて洞内の奥へと誘導される。薄い皮と骨が溶けているみたいにずるずるとすべった。あまりにもすべるので血液ではないかと割れ目をぬぐったが、指先に付着しているのは半透明の粘液だった。これが、少女の言うところの愛だとしたら、量だけは相当なものだ。
「どうして入るんだ」
「好きだから、」
「だが、痛いだろう」
少女はきつく閉じていた瞳をわずかに開けて「平気」と言った。
疑うことをこの時ばかりはやめた。息を吸うだけで少女の体は強張り何かを奪いたいという意思に締め付けられた。引こうとすれば制止を促され、内部に侵入すれば拒まれる。どうしたらいいのだ。
少女の声は甲高く響いた。
奥に辿りつくと少女は私の腕をとり指先に舌を這わせた。音をたてて吸いつく姿は、どうにも形容しがたい。妖艶、というよりは、腹を空かせた稚児のようだ。
「何処で覚えた」
「…………」
「いつからこんなことをしている」
腰を掴み打ち付けると悲鳴に近いような嬌声があがった。身をよじるのでそのまま横を向かせて足をそろえさせたが、これは薄い脂肪と骨の感触に私が耐えられず、少女の体から己の物を抜いた。
あ。
と残念そうに少女が私を見るので、「ほしいのか」と訊くと、少女は小さく頷いて足を開いた。
擦れて紅い性器の口を両手でひろげて見せびらかしている。
「なんてこどもだ」
「はい」
「君は嫌じゃないのか」
「やじゃないです」
「何回した」
「……先っぽだけじゃなくて、ぜんぶいれてください」
体をあわせると少女の肌は汗ばんでずいぶんと湿っていた。
「私で何人目だ」
そう訊くと、ふいに少女は口元をおさえ、ふふふふと笑い、「男のひとって、皆そういうこと聞きたがるんですね」と言って唇を合わせてきた。顔をあげたかったけれど少女の腕が首の後ろにまわっていた。こんなか細い腕、振り払うのは簡単なはずなのに、どうしてだか今はそれができない。
特別なんかじゃない(鬱)
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