ボスからチンコを抜いて、弾んだ息を整えようと大きく空気を吸った瞬間、ベッドの上をつむじ風が走った。 「いたたた……ギブ、ギブ、です」 首に氷が当てられたのかと思ったが、どこに隠していたのかそれは首の幅と同じくらいの長さをしたナイフだった。 「さあ、お前たち全員手を上げて後ろを向け。早くしろ、さもなければサターンの首を今この場でかっ切るぞ」 ボスに睨まれ、研究員たちはお互いにどうすればいいか目くばせをしていた。 「サターン、君はよほど人望がないんだね」 冷たい金属の感触が首元でわずかに動く。 「お前たち早くしろよ、ボスの言うことを聞け」 研究員たちは決まり悪そうに後ろを向いて手を上げた。 「そのままゆっくり膝をつけ。そうしたらそのまま床に腹ばいになるんだ」 研究員たちがその様にするのを見届けると、ボスは私を拘束したままスーツケースの底から黒いテープを取り出した。 「ボス一つだけ、研究員の端くれとしての質問をいいですか?」 どん、という鈍い音がして、喉を潰された鳥のような悲鳴があがった。 「お前たちは勘違いをしているらしい。いつから私は、貴様らの友達になったんだ? 君たちの遊びに付き合ってやる義理も優しさも私は持ち合わせていないんだがね。だが君たちがこういったプレイに興味があるとは知らなかった。なんだったら私が直々に手ほどきをしてやろう。ちょうど注射針が転がっていることだし、それを玩具にする、というのが良いだろうね、中々ハードな内容になりそうだよ。久しぶりに腕が鳴るね」 耳を疑うような内容だった。 「ぼ、ボス、ごごごごめんなさい」 研究員の一人が本気で許しを乞い始めた。 「まあ君たちが勘違いしてしまったのは私にも多少責任があるだろうからね、二度とそんな気持ちが起こらないようにしてやろう……」 ゆっくりと、ね。 了 前回が鬱過ぎたのでフォローしてみた。 |